Une rose à La Mirande ラミランドの薔薇

Une rose à La Mirande ラミランドの薔薇

ホテルラミランドは、アヴィニョン教皇庁裏門正面という絶好のロケーションにある趣のあるクラッシックホテルだ。ゲストルームのしつらえもアンティーク調で雰囲気抜群!窓から見下ろす路地は、観光客の途絶えた夜更けともなれば、まるで中世に迷い込んだよう。教会の鐘の音で目覚めてみれば、すがすがしい至福の朝を迎えること請け合い。この歴史ある町の観光気分をいやがうえにも盛り上げてくれる。このホテルのレストランも、ミシュラン星付きで秀逸。気候の良いシーズンには、南仏風の素晴らしい中庭で食事をとることもできる。

暖かな南仏とはいえ、四月になったばかりのその中庭に、一輪のバラが可憐に咲いていた。おそらくずいぶん昔からその庭に植えられているのだろう、最近の品種ではなさそうなのだが、この時期にと思うとちょっと気になる存在だった。出発の朝、朝食の各テーブルにホテルの総支配人と思しき女性があいさつにまわってきたので、そのバラの名前を尋ねてみた。案の定「わからないわ」という返答だったが、しばらくして彼女は何とそのバラを花瓶に切ってきてくれ、良かったら持ち帰ってくれてよいという。庭というものをこよなく愛する私にとって、この上ないサプライズ!

このホテルの特徴ともいえる大切な中庭で、しかもその季節たった一輪やっと咲いたバラを、一期一会の東洋人ために惜しげもなく切ってしまうなどというサービスを、おもてなしの国日本で果たしてみることができるだろうか?客の姿が見えなくなるまで深々とお辞儀をして見送るのは、形式として定められた方法のおもてなしに過ぎないのではなかろうか?何よりも素晴らしい想い出をいただいたという感激から、この一輪のバラが一瞬でも長くこのラミランドで咲いていてほしいという思いがして、とても自分だけのために持ち去る気にはなれず、かわりに

Je vous remercie pour la rose et le très bon service! (薔薇と素晴らしいおもてなしをありがとうございます)

としたためたメッセージを残して席を後にした。

http://www.la-mirande.fr/en/



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