香港はその昔、しょぼくれた漁村でしかなかった。それが、外洋の荒波を避けることができ、 良質の水や食料の補給が可能なこの地に欧米列強が目をつけ、 東アジア進出の拠点にしたのが繁栄の始まりだ。
香港島と九龍半島に挟まれた水路は確かに波が穏やかだ。 独特の地形のせいか、香港には結構朝霧が発生する。
きらびやかな夜景は、 夜明けを迎えるころにはその昔を偲ばせる落ち着いた景色に変貌する。
昔は、この水路を の湾に停泊する軍艦や商船の間を縫うように中国式の帆掛け船が行きかい、 桟橋には苦力や物売りで溢れかえっていたんだろうな。
そんな時代に思いをはせながら、 香港の朝を過ごした。
L’aube à Hong-Kong 香港の夜明け
