坐忘の夕食は、古民家で頂く茶懐石。茶懐石は、客人に風流な時をゆったり楽しんでもらうための食事。
最初に空腹を和ますために、 一口のご飯とちょっとした前菜で始まる、
らしい(茶道のたしなみがあるわけじゃないので ホントはよく知らない!)。
詫び寂びが基本なので、 山海の珍味が並ぶわけではない。
それでも、清流に住む山女魚の塩焼きは、 川魚の臭みが全くなく、香ばしくて味わい深い。
今の季節は、五穀豊穣、月、 そして旧暦では茶人の正月ともいうべき神聖なときだそう。
だから、素材の香り、味わいをよどみなくひきだしてこその 茶懐石料理といえる。
本来茶席ではこれほどの品数が供されるわけではない、 らしい。
そこは、温泉の夕食、茶懐石を模したコース料理なので 堅苦しさはない。
それぞれのペースでたんと召し上がれという事らしい。
決して頬張ることなく、 一品一品の素材の味をゆっくりと噛みしめて、 晩秋というものを味わう豊かな夕餉だ。
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Un dîner à la cérémonie du thé 茶懐石
